もう会えない…が一番悲しい。日本の華・中野友加里引退。

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3月5日(金) 雨。

トップの写真は、銀のぶどう本社「ローズ・バラ科のお菓子」。
箱を開けるとピンクのバラ!透き通った袋はまるでステンドグラスのよう。
ダマスクローズが香る、とってもゴージャスで華麗なお菓子です。

先日、幼稚園時代の先生と再会し、お土産に頂きました。
とてもすてきなので、大事に大事に食べてます。

先生と最後にお会いしたのがたしか小学校に入る前だから…なんと25年ぶり!
そんなに経っていても、いったん会えば昨日のこと…とまでいかなくても、
思い出って結構鮮明に蘇ってくるものなんですね。つもる話はとぎれることもなく…
生意気なちびっ子だった私が、こんなふてぶてしく育っているのを見て、
先生もさぞかしびっくりしたことでしょう^^;
とても懐かしく、不思議な感覚のする再会でした。



人は、離れてもいつか会える。
どんなに時間が経っても、いつか会えるならさみしくはないのです。
ほんとうにさみしくて悲しいのは、もう絶対に会えなくなってしまうこと。
大好きな人の活躍を二度と見られなくなってしまうこと。




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3月3日ひなまつりの日付けで、
大好きな中野友加里選手が正式に引退を表明してしまいました。

(公式サイト ジャーナルより)
http://yukarinakano.jp/ja/journal/index.html

なんて彼女らしい引き際。

彼女の思いが凝縮したメッセージに、不覚にも声を上げて泣きじゃくってしまいました。
まさか自分がスポーツ選手の引退にこんなに号泣するなんて思わなかった。

中野友加里は、私の中でそれほど重要なポジションにいる選手でした。

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4年前のNHK杯の時から、独特の勢いと強さと優雅さを持つ彼女の虜になった。
毎冬毎冬、フィギュアシーズンがくるたび、
一歩一歩強く美しくなってゆく彼女に勇気と幸せをもらっていた。

トップ選手が次々と海外に頼る中、佐藤コーチとともに
日本にいてもできることを精一杯やりとげれば、世界に手が届くことを証明した彼女。
めまぐるしく変わるルールに対応し、世界の第一線で戦いながら、
学業もしっかりやりとげていた彼女に日本の誇りを見た。

しかし、彼女のピークはトリノを逃した2年後、イェーデポリの世界選手権大会で
1~3位の選手よりも大きな、観客総立ちの大喝采を受けたときだったのかもしれない。
2008年はなんとか踏みとどまったものの、
今シーズンは気負いすぎからか明らかに以前の勢いは陰りを見せていた気がする。

十分トップを狙える実力を持ちながら、
ほんのちょっとのタイミングのズレは、努力家の彼女でもどうしようもなかったようにも見えた。

同時期に、数十年に一度の逸材が2人もいるという不運。
ランクの問題からかスポンサーの問題からか、いつもなぜだか得点を稼ぎきれないという不運。
何かのミスかと思うほど過酷な今年のグランプリシリーズ対戦表の不運。
それでも必死に努力して成長し続けていた彼女に、運命は最後まで厳しかった。

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最後となるであろう今年の世界選手権での演技を、
中野友加里ファン歴”に決着をつける意味でも、私は本当に楽しみにしていたんです。

バンクーバー出場は、本人以上に私たちファンの悲願でもあったのだけれど、
それでも「世界選手権があるから」となんとか心を鎮めた人もきっと多かったはず。

だけど、
こんな悲しい結末を予想できていたら、
今シーズンの彼女の演技をもっともっと集中して見つめたのに。

絶対忘れないよう心に焼き付けたのに。

もう二度とあの神秘的な演技が見られないと思うと、涙が止まりません。

かわいく機転の利いたドンキホーテでの衝撃デビュー、
エレガントなシンデレラ(ダブルアクセルでのフィニッシュが大好き!それを日本選手みんなでまねっこしてたのも大好き!)、
世界が躍動したスペイン奇想曲
可憐なジゼル、
オペラ座の怪人火の鳥
そして何よりSAYURI!!!
…彼女が演じたことで、名プログラム中の名プログラムとなった様々なシーンが
 頭の中をぐるぐるめぐり続けています。

最近の彼女はほんとに、技術だけではなく、神秘すら感じる美しさを身につけていたと思います。


もう一度、せめてもう一度でいいから見たかったんです、世界で舞う中野友加里を。

過去の試合の映像も、彼女のメッセージも、ファンの方々のコメントも
昨日からもう何十回と読んでいるけれど、涙は止まる気配もありません。

本当に、あとしばらくでいいから氷の上の中野友加里を応援し続けたかった…。




イメージ 2 2006-2007 シンデレラのフィニッシュのシーン


イメージ 4 2007-2008 世界が湧いたスペイン奇想曲 

2008-2009 しっとりした演技に磨きがかかったロマンス 
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※写真はこちらからお借りしました→http://sports.livedoor.com/photo/search?p=7&w=%C3%E6%CC%EE%CD%A7%B2%C3%CE%A4


参考:[中野友加里の使用曲 http://www.worldfolksong.com/songbook/skate/nakano.htm]
●2005-2006
SP ムーラン・ルージュ(映画「ムーランルージュ」より)
FS レオン・ミンクス「ドン・キホーテ」
EX アメージング・グレイス "Amazing Grace"

●2006-2007
SP 映画『SAYURI』より「芸者(Memoirs of a Geisha)」
FS セルゲイ・プロコフィエフ「シンデレラ(Cinderella)」
EX マキシム「クロディーヌ(Claudine)」

●2007-2008
SP ショパン 幻想即興曲
FS コルサコフスペイン奇想曲』
EX サン=サーンス『白鳥』より『アリア(風)』

●2008-2009
SP ショスタコーヴィチ「馬あぶ」より「ロマンス」
FS バレエ『ジゼル』
EX 映画「ムーラン・ルージュ」より「ボレロ」、「ウエスト・サイド物語」より「サムウェア」

●2009-2010
SP ファンタジア『オペラ座の怪人組曲 
FS ストラヴィンスキー火の鳥」
EX サラ・ブライトマン「ハーレム」

今年のヨナの演技を「妖艶」というなら、今季のこのハーレムはいったいどうなるの!?
冒頭のゾクッとくるほどの美しさ。気高さとなまめかしさ。
このプログラムを、あともう一回でいいから世界中に見せつけてやりたかった。
いくらつぶそうとしたって、日本の美しさは不滅だってことを。
…ほんとは私が一番見たいんだけど。

(ロシア大会後エキシビジョン・高画質)


全日本選手権後エキシビジョン・必死にこらえている表情と解説が切ない)
http://www.youtube.com/watch?v=-1vzV9zKHro&feature=player_embedded#


いつもいつも不運としか言いようのない理不尽な選抜に苦しめられてきた中野。
それでも常に強くありつづけようと戦う姿はとても美しかった。

いままでほんとうにありがとう。
たった4年だったけれど、中野友加里という選手を応援し続けられた私は本当に幸せでした。
しばらく涙は乾きそうにありませんが、これからのご活躍もお祈りしています。

願わくば、有望な選手を過剰な報道でつぶすなんてことがないよう、
内部からマスコミの体質を変えていってくれたらうれしいです。


世界選手権にはあっこさんが出場するとのこと。それはそれで嬉しいけど、でも…(;_;)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010030300744&rel=y&g=spo